かえるくんのゆかいな日常

かえるのふたりづれが、いろいろなところに旅するブログ。さあ、今日も昼からビールを飲むか...

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アドヴェント2011拾遺(4)シュトゥットガルトの白い家々

今日のチューリヒ:くもり。1℃/5℃。

どうやら研究室には明日までは入れそうで、ちょっとだけ一安心のペンギンさん。そうはいってもここに(正規に)いられる時間は、ゲストのペンギンさんにとっては長くなさそうで(たぶん14時までは堂々といられると思う)、教授の迷惑にはなりたくないから、早々に撤収を決めています。となれば、ここではもう勉強するのはやめてネット三昧になって心の平安を得ておいて、本番はどこかのカフェで文献読もうかな… 勉強しないとね☆

というわけで、ちゃっちゃとブログを更新しちゃいます☆ 例によってアドヴェントの旅のこぼれ話。でも、今日でいったん休止状態に入るかもしれません。

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話はシュトゥットガルトへ。

シュトゥットガルトへ来た(その過程がこぼれ話の前回)のは、もちろんドイツ(ひいては世界?)最大のクリスマスマーケットとやらを見るため(その話はこっちこっち)。でもせっかくだから街も見ておきたい…のですが、この日は、ペンギンさんのだいじな仲間たちがくれたお仕事の〆切を思い出してあわててやっていたから、動き出しは午後になってからになっちゃった…

さて、どこに行こうか… 「地球の歩き方」をぱらっと見ると、本の編集者?はそれほど気のなさそうに、しかし行きたい人が多いのか紹介している施設があって… ヴュルテンベルクの王様には悪いのだけど、そっちに行くことにしちゃった☆ その道案内編は、こっち

というわけで、ヴァイセンホーフ美術館。いきなり目的地!

Weissenhofmuseum

ル=コルビュジェ

中に入って入館料を支払います。荷物はコインロッカーに預けてねっていうから、最初は控えめに屋上庭園だけ撮ってたのだけれど、写真撮ってもいいよ、好きなだけ撮ってらっしゃいっていうことが分かったから、ついパシャパシャと…

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

2階というかOGの踊り場に暖炉とテーブルとイス。本当はここが食卓として設計されていたわけでないんだけど、住人はここで食事をとっていたそうでして。

Treppe

建物の入り口を入って、階段を上がったところは展示室になっています。いくつかパネル展示があったけど、例によってドイツ語を解読してみているとここだけで終わっちゃうから、頑張って流し読み。それと、ヴァイセンホーフ団地の模型が置いてあります。そのエリアからさらに階段を上がると屋上庭園。

実はこの建物、2軒続きの長屋(Doppelhaus)という設計になっていて、この屋上庭園を抜けて、住居を再現したほうの空間にうつります。そこからもう一回階段を下りて、2階(OG)がメインの居住空間。

Esszimmer/Schlafzimmer

わっ、こういうの、実は初めて見た…

どういうことかといいますと…

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

広い部屋の天井にレールが伸びていて、そこに引き出し式の板が潜んでいまして、それを引っ張ると部屋を二つに分けられるんです。↑は途中で止めているように見えますが、これはいったん完全にしめて、すると通路になっているところがドアみたいに開く構造になっています。うーん、なんだかすごいぞ!

この構造、最初に知ったのはル=コルビュジェではなくて、ユトレヒトにあるとかいうシュレーダー邸。その時はテレビの世界遺産の番組で見ていたわけで、この手の仕掛けをはじめて実際に見たのはここってわけ。家族の生活様式が長い時間には変化していくにしたがって、部屋自体も変容させることができるという、匠の心憎い演出ですね。

演出といえば、この作り付けの棚は…

Bett

ベッドが収納できる構造になっています。これも、空間を広く使えるようにという、匠のプレゼントです。

…いささかどこかの番組風になってしまうのは、まさにどこかの番組に登場する建築群と同じ雰囲気…要するに…その建築、すてきだけどどこか住みにくくないか、という疑念を否めないからで… 一部の世界では、その番組に登場するこの手の仕掛けを「ギミック」って呼んでいるそうですが、そう、それ!

これは、ガイドツアーに参加したわけでもないのに勝手に後ろで立っていた野良ペンギンがきいたことなんだけど、要するにものすごく住みにくかったそうです。なんでも最大の問題は、寒いこと。あの引き出しの仕掛け、隙間風ビュービューでしょうね、そりゃ。それから例の横に長い窓。これも断熱効果をゼロにするすてきな仕掛け。

ペンギンさんとしては、ドイツ人と違って日本人はいえの中で着こむから何とか持ちそうな気がするのですが、より耐えられないのはプライヴァシーのなさ。だって、この仕切りで2部屋にして、片方を子どもたちの寝室、片方を夫婦の寝室兼食堂にすることが想定されているように見えますが、この仕切りですよ。音が漏れ漏れ… ついでに言うなら、この居室とお風呂場が例に引き出し窓になっているけど、これって湿気は漏れ漏れだわ、鍵はかからないわ、挙句の果てに、例の連続する長い窓が風呂場まで続いていて、風呂場なのに窓が不必要にでかいわで…

気になる水回り。

Kueche

あっ、台所しか写真がなかった…

とまあ、住む側にはかなりとんでもない家だったらしい…

でもいいんです、ここは。言ってみればモデルルームですもの。というのも、このヴァイセンホーフ団地の建築群、シュトゥットガルトの街ドイツ工作連盟(Deutscher Werkverbund)が組んでやった、実作の建築展(!?)の一環で出来上がったものですから。だから、あらゆるアイデアを詰め込んだ点に意義があるんであって、独創できない人間がここからそのアイデアをつまみ食いすればいいわけです。

で、改めて、この家の設計は、ル=コルビュジェと、もう一人、ピエール・ジャンヌレ。このジャンヌレってのは実はコルビュジェのいとこでありまして、ル=コルビュジェってのは筆名だったんですよね。そうそう、今思い出しました。

―ペンギンさんはぼーっとドイツ語の解説本を読み飛ばしていて、このピエールさんのことをお父さんと勘違いしていたんだよね。
―今インターネット検索かけなかったら大恥だったねぃ。
―本当にねぃ。
~おとうさんといえば、おとうさんスイッチだよね♪
―おとうさんすいっち、ら!
―らんずけーぷ。
―おとうさんすいっち、り!
―りつめんのじゆう。
―おとうさんすいっち、る!
―るこるびゅじぇ。
―おとうさんすいっち、れ!
―れんぞくするよこにながいまど。
―おとうさんすいっち、ろ!
―ろんしゃんのきょうかい。
―よくできました☆
―よくできました☆
~うーん、それをどうやって表現するんだい?

…っていうか、よくもそんなに用語がスラスラ出てくるねぇ…
―だってそこに書いてあるもの。
―書いてあるもの。

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

…はあ、たしかに。近代建築の5原則ってやつね。
1.ピロティ
2.屋上庭園
3.自由な平面構成
4.長い窓
5.自由なファサードの構成
どこまでが現代でも重視されているのかな?ってときどき思ったりもします。特に連続する長い窓ってあたりはどうでしょうね? 最近は長いっていうか、全部窓だったりしますものね…

階段を下りて1階(EG)には、あまり住みたいとは思わない病室みたいな部屋。ベッドがぽつんと展示してありました。

Maedchenzimmer

Mädchenzimmerってあるけど、これ、女中さんの部屋なんです。女中さんの住環境はあまり考慮しないのが、やはり階級社会というべきか。

そして、自由なファサード。

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

↑→の写真の左手のピンクの建物も、ジャンヌレいとこ同盟によるもの。

このヴァイセンホーフ、ル=コルビュジェだけでなくて、当時の一流モダニストの実験場だったんです。全体設計を担当したミース=ヴァン=デア=ローエの作品は、これ。

Weissenhofsiedlung Mies Haus Weissenhofsiedlung Mies Haus

1階の一部屋を改装中で、いずれ中も見られるようになるみたい。空き部屋はほかにないようで、こっちは住環境がよいのかな?

Weissenhofsiedlung Stamm Haus & Behrens Haus Weissenhofsiedlung Behrens Haus

↑←の写真の右側はマルト・シュタム、左側はペーター・ベーレンス。↑→のベーレンスの建てた家は、中が展示場になっていて、料金無料で立ち入れます(内部の写真撮影は不可)。コルビュジェの家より、1家族分がずっと小さい感じ。

Weissenhofsiedlung Behrens & Scharoun Haeuser

その同じベーレンスの家が右側、左側はシャロウンさんの建てた家。モダニズム建築は、薄暮が一番いい感じで、うれしくなってとっていたけど、薄暮と夜は紙一重。この辺が限界のようです。それにしたって、どうしてこうした家々は、写真を撮りたくさせるものなのだろう…

本当はほかにもいくつかあって、それは取れなかったか、採れたんだけど、住人の方の生活が見えちゃう写真だったから載せるのをやめました。でも明かりが漏れて、クリスマス飾りがきれいで、やっぱり家は住んでこそ、って感じがします。

実はさらにそれだけでなく、グロピウスの建てた家もあったはずで、本来はモダニズム建築家三巨頭(?)がそろっていたんです。あるいはブルーノ・タウトとかも。でも、そういうのは空襲でやられちゃったんです。残念極まりない!

この団地ができたのが1927年。空襲があったのが1945年。やられた家は、半分くらいは凡庸な(ということは確実な)手法で再建され、一部はモダニズムの系譜を引き継いで、でも全然違う設計で再建され、あるいは空き地になっています。だいたい、住んでみるとすみにくい(かもしれない)この家々、爆弾が当たった家だけでなく、全部全面改築になっていても不思議でなかった。それが、なんと1950年代には保存の動きが出ているんです。すごいですよね。いくら斬新で人の目を引く建築といったって、立てて30年で、保存に値すると評価されるのは。

だいぶ暗い時間ですが、ふと気づいたことがありました。この高台の住宅地、この時間にル=コルビュジェの家の屋上に上がったら…!? 美術館は再入場可能なように、手の甲にシールを張ってくれていますし、18時まで営業ですから、思い立っても一回登ってきました。おねえさん、最初に入ったときもそうだったけど、また何かお菓子をかじってた…

その眺め。

Stuttgart Abendpanorama

シュトゥットガルトが一望のもとに! その都心は、こんな感じに撮れました。

Stuttgart Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

屋上庭園の夜、いいですね。住みにくいかもしれないけど、この眺望を手に入れられるなら、我慢するかも。ル=コルビュジェが屋上庭園にこだわって最高の作例、かな?

Weissenhofmuseum Le Corbusier Haus

こうやって腰かけるスペースを作ってあって、これはあとはビールをつまみに、月見に、花見に…

完璧!

全然完璧でないのはこのブログ。今日の記事、あんまりに長すぎる! …だいたい、こんなに写真を撮りたくさせるル=コルビュジェの色彩感覚の美しさがすべて悪いんだ。そう思うことにします。…誰に謝らなきゃいけないわけでもないけど、なんかごめんなさい・・・
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